明治維新の功労者と言えば、今話題の坂本竜馬、西郷隆盛、大久保利通、桂小五郎、高杉晋作など著名人が並ぶ。

それぞれに素晴らしい考え方があり、維新を成し遂げた人物の偉大さは、心を打つものがある。

ただ最近、私が気になっているのは、上記の人物ではなく、「中岡慎太郎」である。
彼ほど信念に基づいて行動に移した人間は多くないだろう。

「理想は語るだけではなく、実現させるべし」

命をかけて国政を考え行動し職務を全うした慎太郎の生き方は共感できるものがあった。

我々は、平和だ。だから時間を無駄に過ごすことが多い。結果が出なくても言い逃れる準備をしてその場を切り抜けようとする。何か責任が振りかかろうとすると、責任転嫁し、自分の逃げ道を作る。
こんな考えの人間はいつの時代にもいたと思うが、現在は、その割合が増加する一方ではないだろうか?

ビジョンを自ら伝え、人を巻き込み同士を作っていくことが必須だった。ビジョンなき行動は「死」を意味する。
慎太郎が生きた時代は、思想が違えば暗殺された時代。だから自分が描いたビジョンに対して結果を出さなければ、寿命という時間がなかった。すべてが命がけなのだ。
だから「命がけの公的ビジョン」に多くの大物が20代の若者に賛同したのだと思う。

子供のころは神童と呼ばれ頭がキレた静かなる熱血漢は、たゆまぬ努力で離れ業をやってのけた。
30歳という若さで暗殺された時、坂本竜馬と口論の中気付くのが遅れたともいわれている。私ごとではなく、国家のことで竜馬と熱中していたのだろう。
「国家のために」身を投げ出し日本中を駆け回った中岡慎太郎を、私は心から師事している。

私の役割も中岡慎太郎ほどのスケールでないにしろ、人生を掛けて取り組む一大事業であり、使命があると思う。
結果の積み重ねが業界を変える。
混乱している今が、まさしくあの時の「日本の夜明け」と同じように感じるのは私だけだろうか?